商務部國際貿易経済合作研究院の梅新育研究員はこのほど、中國の対外貿易市場をテーマとする論考を発表した。主な內容は次の通り。
対外貿易市場の多元化推進は、中國政府が最近ふたたび強調するようになった輸出戦略だ。こうした指導構想は數年前に提出されたものだが、最近の初級製品市場の変動や、當今の米國の低所得者向け(サブプライム)住宅ローンに端を発した世界的な金融危機を背景として、その意義がますます注目されている。
対外貿易市場の多元化を推進する目的は、第一に中國の市場地位を改善し、中國の利益を高めることにある。國際経済?貿易の利益分配局面における企業や國の地位は価格交渉力に左右されるもので、國際市場における価格交渉力は取引雙方の実力や市場構造によって決まる。売買雙方のどちらともに、ライバルが多ければ多いほど価格交渉力は弱まる。國際貿易は國家間の政治的問題や軍事的衝突などとひとくくりにされることが多く、國際政治?軍事の道具とみなされることもしばしばで、対外貿易市場の多元化を推進すれば國の経済や軍事面での安全をはかるうえでプラスになるといえる。
西側諸國による経済封鎖の時期や改革開放の時期にも、中國は市場の多元化を推進し、貿易相手先同士の競爭関係を利用して、さまざまな経験を蓄積してきた。だが全體としていえば、中國の対外貿易にみられる極度の集中は解消されておらず、中國は高い代償を支払うとともに、巨大なリスクにもさらされているのが現狀だ。
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