野村証券グローバルチーフエコノミストのポール?シェアード氏
私は最近中國に1週間滯在し、私がこの1年半の間に提言した中國経済に関する3つの見方への確信を深めた。
まず、中國経済は金融危機を難なく乗り越えたが、これは特に驚くべきことではないということ。中國の強力な自発的成長のパワーと迅速かつ有効な投資刺激策といった手段が金融危機が中國の輸出業(yè)に與える影響を打ち消した。中國の09年の世界経済に対する貢獻は、世界経済のさらなる悪化を食い止めた。2010年から2012年の間に中國は平均で世界経済成長の3分の1に貢獻する、と私たちは予測している。金融危機以來、中國は國內(nèi)の需要に頼り、輸出による経済成長を促さなかった。他にも、米國や他の國は大規(guī)模な通貨緩和政策を取った。この點から考慮すると、中國は07年7月から09年7月にかけ人民元の為替相場を再びドルと連動させたが、これを非難する必要はなくなった。
次に、中國の力強い経済成長と最近の投資はケインズ理論でいう政府による経済刺激策というだけでなく、同國経済の長期成長の一部分とみなすべきだ。この30年、中國経済は年平均10%近いペースで成長し、數(shù)多くの人々が貧困から抜け出し、都市に移って中産階級となった。中國は多くの人口を抱えているが、一人當たりの所得水準は高くない。これは中國経済の成長過程がまだ初期段階にあることを意味している。この段階があと數(shù)十年は続くだろう。
第三に、投資が中國の國內(nèi)総生産(GDP)に占める割合が高いこと。その割合は持続的に増加しており、経済に潛在的なリスクをもたらしている。投資の質(zhì)は別として、投資駆動型の経済成長が中國を追い込み、中國が経済の高成長を維持するには高比率の投資を維持しなければならない情況になっている。投資が増えるほど、経済成長は益々投資の影響を受けることになる。このことは中國経済の成長を厳しくしている。例えばGDPの50%を占め、毎年15%の成長を維持している投資の伸びをゼロまで下げた場合、投資がGDPに占める割合が依然として高かったとしても、経済成長への貢獻度は一直線に下がっていく。中國は投資のGDPに占める割合をコントロールし、消費が経済成長の動力となるよう力を入れていかなければならない。中國経済の投資から消費への駆動転換が遅れるほど、経済に直面する課題とリスクが高くなる。
「人民網(wǎng)日本語版」2010年9月30日