全従業員が心を一つにして組織を運営

「働かないおじさん」が現れるのを避けたければ、日本企業は歐米企業に倣い、人材を補充するという方法で職業ポストを埋めればよいが、多くの日本企業は大學新卒生の大量採用制度を変えることはできない。この制度は企業の運営にメリットがあるためである。

簡単に言うと、全従業員が心を一つにして働くという方法である。毎年採用する大學新卒生は入社時に同じスタートラインに立ち、互いに競爭しあう。従業員の能力に関しては、日本の多くの企業が差別していない。つまり、努力さえすれば誰でも出世できる可能性があり、従業員だけでなく人事部もこのような見方をしている。

日本企業は新入社員が足を引っぱることを望まないが、何の職業経験もない大學新卒生を採用すれば、適材適所、それぞれの役割を果たすことができ、全員が力を合わせ、長期雇用の効果もある。

大學新卒生の大量雇用は単なる雇用方式ではなく、日本企業の運営方法の一種でもあり、長年にわたって築き上げてきたこのような伝統的な制度を変えることは難しい。