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昆劇『牡丹亭』公演終了「日本の梅蘭芳」から啓発
発信時間: 2009-03-19 | チャイナネット

中日晩昆劇『牡丹亭』が14日夜、蘇州で幕を閉じた。いずれの公演にも空席はなく、観客の中には昆劇の好きな現地人のほか、上海や日本、歐米からのファンも數少なくない。この劇を企畫し、主演する「日本の梅蘭芳」と呼ばれる日本歌舞伎巨匠の坂東玉三郎の公演を見るために駆けつけた観客がほとんどだった。

中國の京劇の「男旦」は衰えつつあるが、日本の歌舞伎の女形蕓術は確実に伝わってきている。昆劇は中國の芝居界を約230年余りに渡って獨占してきたが、京劇の徽班が北京入りしたことにより宮廷では京劇が流行り、乾隆(1711年―1799年)末期には高尚な蕓術とされていた昆劇は衰えた。中華人民共和國の成立後、昆劇はほぼ消滅に近い狀態だったが、周恩來総理の配慮のもとで『十五貫』のリハーサルが行われることでよみがえり、「一つの芝居で一種の劇が救われた」という美談も生まれた。

ここ數年、昆劇の『牡丹亭』には多くの腳本があるが、その中でも上海昆劇団の陳士爭監督によるものが最も名高い。この腳本の公演は20時間以上に及び、湯顕祖の原著の中のストーリー、字句が含まれており、昆劇が米國、歐州、日本の舞臺に輝くようにもなった。

坂東玉三郎が『牡丹亭』に登場し、古い昆劇蕓術に新たな活力を注いだ。中日文化の源は一つであり、坂東玉三郎は歌舞伎の女形の名家だが、中國の京劇と昆劇の蕓術にも男旦(女形)の伝統はある。そのため、中國の観客にとって坂東玉三郎が演じる杜麗娘は自然だったのだ。観客は2種類の異なる蕓術が混ざり合う驚異的で目新しい審美効果を體験できるばかりでなく、同じ源を持つ日本文化と中國文化の溶け合う親近感も味わうことができた。坂東玉三郎が杜麗娘の裝いで言葉を発せず舞臺に上がると、中國の観客は顔をしかめたりしながら拍手喝采した。

坂東玉三郎の華麗な昆劇公演は、中國の京劇と昆劇の男旦(女形)の人材を育成する上で良い手本となった。現在、京劇の男旦は徐々に衰え、昆劇の男旦もわずかしかない。そのかたわら、女性が演じる越劇、黃梅戯が定著するようになった。昆劇蕓術は大衆の支えがなければ成り立たない。前世紀、京劇が全國を風靡したとき、「四大名旦」の広告効果は無視できなかった。戯曲の舞臺に立つ男旦は、現実生活で誤解や差別視される可能性もあるが、それも蕓術家として支払わなければならない代償である。

昆劇は『十五貫』で救われ、『牡丹亭』で大ヒットするようになった。ただし、劇が生存するには1人や2人のスターやほかの國からの拍手喝采だけが必要なわけではない。その生存の根本は民間に根強く生き、より多くの観客に喜んでもらうことにある。

「チャイナネット」2009年3月19日

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