????????????????????????????????????????????????????????????????????????????? 大東文化大準教授 岡本信広

「損失回避の原則」「現(xiàn)狀維持バイアス」。近年，心理學(xué)と経済學(xué)が融合した行動経済學(xué)から得られた概念である。人は、失われる辛さは同じものを得るよりも2倍以上辛く、できるだけ現(xiàn)狀維持を望む意思決定をするというものである。

311の東日本大震災(zāi)では東北地域を中心に多くの人命、家財、社會インフラが失われた。家族や大切な思い出、學(xué)校、公民館、道路などを奪われた人たちの悲しみは想像にあまりある。震災(zāi)で失ったものに対する心の痛みは同じものを得る喜びよりも2倍以上なのである。

一方，民主黨?菅政権は未曾有の大震災(zāi)に対して，その無能ぶりを露呈している。典型的なものは，原発周囲の避難地域の後手の拡大，県內(nèi)小學(xué)校や中學(xué)校における被爆限度の引き上げ，そしてもっとも問題であったのは，復(fù)興への道筋を示すための復(fù)興基本法が，阪神淡路大震災(zāi)の時には1ヶ月後に成立したにもかかわらず今回は3ヶ月かかったという事実である。國民の反発や野黨の反発により，5月末に內(nèi)閣不信任案が提出され，菅総理は一旦辭意を示すことによって生きながらえた。6月に東日本復(fù)興基本法が國會で審理可決され，復(fù)興の基本方針が定まった。菅前総理は6月末に示された退陣3條件「今年度第２次補正予算案の成立、再生可能エネルギー特別措置法案の成立、特例公債法案の成立」が出揃った8月26日にようやく，菅前総理は內(nèi)閣を総辭職することになったのである。

8月29日の民主黨代表選挙では，どの候補にも圧倒的な得票がなく，決戦投票となった。結(jié)果，野田佳彥新代表が選出された。これにより近日中に野田內(nèi)閣が発足する。前政権との違いは，財政再建路線ということであろう。ただ特例復(fù)興債の発行が法律で決まっている以上，また解散総選挙の可能性を否定していないために，次期の選挙を考えると，増稅路線に変更することは難しいであろう。また野黨（自民黨，公明黨）との3黨合意を踏まえての大連立の可能性についても，総選挙を睨むと與野黨ともにメリットがない。つまり，結(jié)局は「現(xiàn)狀維持バイアス」が働き，民主黨內(nèi)部のさまざまな意見に配慮せざるをえず，復(fù)興に対して何か新たな政策がでるのは難しいであろう。

東京?永田町では，政権を保つための現(xiàn)狀維持バイアスが働き，復(fù)興への道筋がなかなか示せない中，東北では民間を中心に復(fù)興の足音が聞こえてきている。4月には民間投資會社などが被災(zāi)企業(yè)6社（みそ?しょうゆ醸造の八木沢商店（陸前高田市）と水産加工業(yè)の斉吉商店、フカヒレ加工販売の石渡商店など）の復(fù)興を支援するためにファンドを結(jié)成したりする，などはその典型例だ（4月25日河北新報）。

3.11の東北大震災(zāi)は，今までの日本の現(xiàn)狀を維持できなくなったほどの出來事であり，日本人の心の奧底に靜かな変化が起きている。政治側(cè)が現(xiàn)狀維持ばかりを望んでも日本は民間を中心に復(fù)興する。新政権は復(fù)興に関與し民間を混亂させるよりも，放射能など國民の安全に力を注いでもらいたいと願っている。

「中國網(wǎng)日本語版（チャイナネット）」2011年8月30日

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