漫畫エッセイを選んだ理由
日本に行ってから、中國で目にした日本のアニメや漫畫は氷山の一角に過ぎないことに気づいた。毎日膨大な量の作品を目にすることができるが、「最も好きな漫畫やアニメは?」と聞かれると、林さんは高橋留美子、妹尾河童、けらえいこ、仲村佳樹、矢沢あいなど多くの名前を挙げた。そのうち、特に妹尾河童氏の漫畫エッセイ絵本の極めて細い畫風が自分の漫畫エッセイの創作にも大きな刺激を與えたと言う。
林竹さん(寫真?本人提供)
日本では週刊誌に連載されるストーリー漫畫が主流だが、なぜ林さんは漫畫エッセイを選んだのだろうか。林さんは二つの理由を挙げた。一つ目は、中國の読者の事情が日本と違うことによるものだ。「中國の大卒やサラリーマンは、週刊誌で長い間長編漫畫を読みつづける人は少ないのです。長いし、コマ割りの方式が複雑だから。それに比べて、漫畫エッセイの場合は簡単で面白いのです。シリーズものではないから、後はどうなるのかとずっと気をすることもないのです。これのほうがより中國の事情に合っているのです、いわば「癒し系」ですね」
もう一つの理由は林竹さんの個性によるものだ。「フィクションだけで絵を描くのは得意でないのです。でも、日常生活の中で起きたことを描くのが大好きなのです。日常生活の中で面白いことがあったら、ひとりだけ知っているのはもったいないなあと思って、絵を描いてより多くの人に知ってもらいたくなるのです。これはいわば私の創作の原動力ですよ」と。(続く)
「中國網日本語版(チャイナネット)」 2010年5月17日