民主黨が2013年度定期大會(2/24)で綱領を制定した。前文では、現在を大きな変革期と位置づけ、持続可能な社會の再構築を掲げ、國民政黨として再生し、政権に再挑戦するとある。綱領は短いものである。2009年政権獲得後、黨內が極めてごたつき、挙句分裂に到ったことから、黨として、綱領には、理念を明確に絞り込もうとしたのであろう。
『私たちの立場』とする民主黨の立腳點を、「生活者?納稅者?消費者?働く者」に置く。そして政黨の存在理由を「改革政黨」とした。改革の対象は、政治改革?行財政改革?地域主権改革?統治機構改革?規制改革などだ。
われわれは巨大な現代社會と離れては生活できない。個人が社會を作っているのであるから、社會の活力は個人生活の総和である。時代狀況は常に動いているから、社會の主體者が常に必要な改革を起こさねばならない。
保守黨を標榜しようが、改革黨を唱えようが、時代狀況に対して的確な働きかけをするのが政黨の仕事である。従來保守黨は財界黨としての色が濃いから、民主黨が非力な個人の視線に立つというのは極めて妥當である。
そこで『私たちの目指すもの』は、①共生社會をつくる、として、a)「新しい公共」を進める。b)正義と公正を貫く。c)幸福のために経済を成長させる。――の3項目を掲げた。
「新しい公共」では、「公を擔う市民の自治を尊び、近代以降、官が獨占してきた《公共》をそれぞれの主體に還す?!工趣ⅳ搿¥长欷蠌緛?、公といえば官であり、お上であった事情(と認識)を、そうではないのだ、公とは國民各人なのだという認識に全面的に転換しなければならないという問題意識を鮮明にしたのであろう。
大事なことは、封建社會から近代になっても、國民各人が公なのだという認識が薄く、「公=官=お上」が長く継続してきたことである。敗戦後に日本國憲法によって民主主義となった時點で「公=各人」になったはずであるが、憲法が変わっただけでは容易に変わらず今日に至っている。