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日韓紛爭は東アジア産業分業システムにとって試練

日韓紛爭は東アジア産業分業システムにとって試練。2ヶ月にも満たない間に、日本と韓國の貿易紛爭は急速にヒートアップし、両國が輸出手続きを簡略化できる優遇國「グループA(ホワイト國)」からお互いにお互いを外したのに至って、日韓関係はほぼ「斷絶」の崖っぷちに追いやられた…

タグ:貿易 輸出手続き 優遇國

発信時間:2019-09-03 10:05:02 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

  2ヶ月にも満たない間に、日本と韓國の貿易紛爭は急速にヒートアップし、両國が輸出手続きを簡略化できる優遇國「グループA(ホワイト國)」からお互いにお互いを外したのに至って、日韓関係はほぼ「斷絶」の崖っぷちに追いやられた。(文:孫興傑?吉林大學公共外交學院副院長。「青年參考」に掲載)


日韓関係の半世紀に及ぶ発展ぶりを振り返ると、経済協力が船を安定させるための重りである「バラスト」の役割を果たしてきた。両國は歴史問題や領土問題でたびたび困難に見舞われたが、「政冷経熱」の狀態が続いていたことから、雙方がともに「けんかはしても戦爭はしない」がレッドラインであるとわかっていた。


樸正熙政権の時代には、韓國には日本の植民地だった歴史への深い恨みの気持ちがあったが、日本の経済成長にあこがれる気持ちもあった。1965年の國交回復の最大の成果は日韓経済関係が正常化したことで、韓國は日本モデルを學び始め、模倣し始めた。70年代になると、韓國は鉄鋼、自動車、化學工業などの産業で飛躍的発展を遂げた。韓國の財閥経済システムも樸政権時代に基礎が打ち立てられた。このシステムは97年の金融危機で大きな損害を受け、その後、歴代政府も経済の民主化推進を盛んに提唱したが、財閥は引き続き韓國経済の命脈を握り続けた。


韓國が徐々に先進エコノミーになるにつれ、日韓関係には競爭の色合いがますます強くみられるようになった。日本がこのたび韓國に対する輸出規制を打ちだすと、文在寅政権は「経済侵略」だとした。しかし文大統領の態度はずっと一貫していたわけではなく、8月15日の「光復節」での演説では、「韓國は日本と安全分野、経済分野で絶えず協力を展開し、日本と共に植民地時代の被害者の苦しみを癒やし、手を取り合って協力する立場を堅持する」と述べた。ここからわかるのは、文大統領が特別な意味をもつ場面で、日本に事態緩和のシグナルを送ったということだ。


日韓関係が短期間で対抗のロジックに陥った根本的な原因は、日韓関係の構造に裂け目が入ったことにある。経済協力はもはや日韓関係の「バラスト」ではないのだろうか。半世紀前に基礎が打ち立てられた日韓関係の基礎は変化しつつある。かつて、樸大統領は韓國経済の発展を促進するため、日韓の間に橫たわる歴史問題を一時棚上げしたが、韓國経済が発展するにつれ、國としてのアイデンティティを構築する過程で、歴史問題は現実的な政治問題へと徐々に変わっていった。65年の「日韓請求権協定」で覆い隠した積年の恨みはまだ十分に晴らされていないが、日本は一貫して紙一枚の協定ですべての面倒な問題は解決できるとの見方を示し、こうした考え方は日韓が「慰安婦」問題で達成した合意にも現れている。韓國にとって、歴史問題はまったく解決されていない。日本からの賠償金は韓國が19世紀から20世紀にわたって受けた苦痛を補うにはまったく十分ではない。

 

 日本がこのたび韓國への輸出規制を発表すると、文政権はすぐに産業界と経済當局の政府関係者を集めて検討し、打ち出した対抗策には部品の國産化実現が入っていた。今後7年間に7兆8千億ウォン(約6800億円)を投入して、日本からの輸入への依存度が高い電子産業や自動車産業など各産業の原材料、部品、機器100品目を戦略製品と位置づけ、半導體産業に必要なフッ化水素、レジストなど20品目については、1年以內に國産化を実現し、その他の80品目は5年以內に実現するとした。こうした差し迫ったタイムテーブルは、韓國の一種のストレス反応であると理解できる。


日本は「ノドを締め上げる」ようなやり方で韓國に制裁を下し、韓國は國産化を急ぐという決定を下した。それでは東アジアの既存の分業システムは瓦解してしまうのだろうか。


第二次世界大戦後、東アジア経済の発展の原動力は開放的な市場システムにあり、産業の分業の中にもあった。半導體産業の場合、歐米は設計を得意とし、日本は材料を主に手がけ、韓國と中國が応用分野で飛躍的な発展を遂げた。産業分業と協力は比較優位の基礎の上に構築され、経済強國には必ず代替不可能な製品とサービスがあるといったように、比較優位は戦略的な武器にもなる。同時に、技術のイノベーションと発展は新しい産業を生み出し、新産業の中で優位に立った國と企業には新たな可能性を切り開くチャンスが與えられる。日韓経済紛爭は見たところ歴史的な積年の恨みと関係があり、ますます同質化する産業競爭が導火線であり、最終的にはこれまでの二國間関係の枠組を破壊することになる。


現在、日韓関係は過去半世紀で最大の十字路に立たされ、日韓貿易紛爭は東アジアの分業システムの構造的問題を白日の下にさらした。これからの東アジア経済の一層の協力と発展は、より合理的な構造の産業分業システムを構築できるかどうかによって決まる。構築できなければ、既存の枠組は歴史、地政學、グローバル秩序などさまざまな角度から挑戦を突きつけられることになる。(編集KS)

 

「人民網日本語版」2019年9月3日

 

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