北東アジア問題の多くの観察者は、今年6月より米日韓関係が急激に冷え込んでいることに注意している。まず、米日の緊密な関係に緩みが生じている。経済貿易協力を中心に、日本の「脫米入亜」の意思表示が続いている。中米貿易摩擦の中身と外部への影響が複雑化するなか、中日関係が正?;驅g現した上で絶えず新たな好材料をもたらしているが、これはそれをよく裏付けている。その一方で、米韓雙方の朝鮮政策の方針をめぐる溝が深まり、日韓の対立において米國が日本側に肩入れをしている。米國は韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の延長問題で高圧的な態(tài)度を取り、さらには米軍駐留経費で過度な分擔を求め、戦時作戦統(tǒng)制権の返還に終わりが見えていない。これにより韓國の産學官及び社會各界は、米國一辺倒に対する不満をつのらせ、「脫米國」の聲が大きくなっている。(筆者?笪志剛 黒竜江省社會科學院北東アジア研究所所長、研究員)
米日?米韓関係の溫度差、日韓の対立の長期化は、米日韓の3カ國関係にも影響を及ぼしている。米國は日韓関係の仲裁、安保関係の強化の能力が大幅に低下している。これにより日韓を利用し北東アジア、アジア太平洋、さらにはインド太平洋の地政學的戦略を強化することが、かつてないほど困難になっている。それでは米日?米韓関係、さらには米日韓関係が冷え込む原因とは何か。この狀態(tài)は一時的なものか、それともすでに中長期的な流れを形成しているのだろうか。米日韓関係の二國間さらには3カ國間の変化を受け、中國はいかに立ち位置を畫定し、それに応じた選択をするべきだろうか。
客観的に見ると、米日?米韓?日韓、さらには米日韓関係の上述した変化の原因は複雑で、その流れの概括は容易なことではない。ただし次の3點には現実的な意義、傾向を示す意義があるだろう。
(一)多國間主義の理念の堅持において、米日韓に重大な食い違いが生じた。米政府は「米國ファースト」という一國主義を掲げ、貿易で保護主義政策を行い、國內の政治動員でポピュリズムを煽り、貿易パートナー及び同盟國に対してさまざまないじめを行っている。外向き型発展により多國間體制の中で生存を求める日韓は、地政學及び経済貿易の圧力に直面した。多國間枠組み內で各自の利益の最大化を求め続けるべきかは、米日?米韓関係の冷え込みの分水嶺になった。