杜甫挿絵オリジナルバージョン

　人民教育出版社の必修國(guó)語(yǔ)教科書(shū)に、杜甫の挿絵が掲載されている。満面厳しい表情の「詩(shī)聖」杜甫が巖の上に背筋を伸ばして座っており、體つきは痩せて骨張っており、頭には帽子が翻っている。この挿絵は、人物畫(huà)の大家である故?蔣兆和氏による作品で、「國(guó)家と人民のために心を砕く詩(shī)人」という崇高なイメージそのもの。しかし、生誕1300周年の記念すべき年に、自分がリメイクされる「挿絵モデル」の第一人者となり、教科書(shū)から飛び出し休む間もなくネット上をあちこち飛び回る生活を送ろうとは、さすがにこの「詩(shī)聖」も想像しなかっただろう。中國(guó)紙、新京報(bào)が伝えた。

　▽2012年にブレイクした杜甫

　ネット上で「杜甫」を検索すると、次のような最新情報(bào)を見(jiàn)つけることができる。「杜甫。男性。唐代の有名詩(shī)人。漢族。字は子美。杜少陵、杜工部、杜拾遺、などとも呼ばれる。號(hào)は少陵野老人。西暦712年に生まれ、770年に死去、2012年にネット上でブレイクする」
　
　杜甫が急に持てはやされるようになった今年、ネットユーザはいろいろな工夫を凝らして杜甫の挿絵に手を加えている。バイクに跨ったり、白馬に乗ったり、スイカを送り屆けたりと「詩(shī)聖」はネット上で大忙し。中には狙撃手やガロンタンク（水）配達(dá)人、筋肉マッチョ、ミニスカート姿のお姉さん、さらには機(jī)動(dòng)戦士やジャック船長(zhǎng)などのアニメキャラ版まで登場(chǎng)した。「魔獣世界」の背景が加えられたものや、「李白」など特別ゲストが登場(chǎng)するものもある。あるネットユーザは「杜甫の挿絵を書(shū)くために、高校二年の國(guó)語(yǔ)教科書(shū)を買(mǎi)い占めたんじゃないか」と書(shū)き込んだ。

　▽杜甫草堂博物館「杜甫を尊重するように」

　詩(shī)聖生誕1300周年を迎えた今年、一部の厳しい文化保護(hù)主義者は、杜甫の落書(shū)きという悪ふざけを苦々しく思っている。生誕1300周年記念イベントの準(zhǔn)備を進(jìn)めている成都杜甫草堂博物館は、落書(shū)きの中には、「上品」から程遠(yuǎn)い下劣なものもあり、ネットユーザに対し、杜甫と伝統(tǒng)文化を尊重するようにと呼びかけている。

　杜甫草堂博物館が落書(shū)きに対して公然と不満の意を示したことに続き、河南省詩(shī)歌協(xié)會(huì)の馬新朝會(huì)長(zhǎng)は26日に聲明を発表、「杜甫の精神は中華民族の精神の光そのものであり、そのイメージを汚し貶めるような行為は許されない」と訴えた。