明け方に観た歐州選手権の余韻を殘したまま、その日の夕方に中國スーパーリーグの試合を観戦した。北京工人體育場の入口に著いたとたん、連れの友人が冗談めかして、「歐州選手権を見たあとに、果たして中國スーパーリーグを見る価値はあるのかな?」と言った。徹夜して歐州選手権を観たサッカーファンの多くは、同じような感想を持ったに違いない。両者の間にはそれほど大きな開きがあるのだ。人民日報が伝えた。
中國スーパーリーグと歐州選手権について、技術面と意識面から見た大きな違いは、以下の3點に絞られる。
(1)サッカーコートでの時空間の違い
歐州選手権は、中國スーパーリーグに比べ、ボールをキープしている選手がボールを処理する空間?時間ともに短い。彼らは一瞬の躊躇もすることなく、瞬時に次にどのような動きに出るかを判斷し、走る方向を決め、足の運び方を決める。このため、脳と頭を同時にフル回転させている。一方、中國の選手のコート上での動きはかなり悠長で、歐州の選手ほどボールを機敏に扱うことができない。
(2)シュートの外れ方の違い
歐州選手権では、外れたシュートの多くは、ゴールポスト(直立方向)からはみ出す場合が多いが、中國では、クロスバー(水平方向)を超えるケースが多い。これは昔からの問題であり、シュート力の差が原因のひとつだが、動きにおける要領の善し悪しも影響している。結局は、そこまで訓練されておらず、練習の目標設定が甘いことによる。
(3)試合のリズムの違い
歐州選手権のゲームでは、攻防が入れ替わった瞬間に試合のリズムが急加速に達し、相手に反撃を防ぐ暇を與えない。中國では、パスカットに成功すると同時に反撃が始まるケースは少なく、カットした後あたりを見回す始末で、チームプレイに統一感がなく、素早く動く選手や緩慢な動きの選手などさまざまで、結果的に素早い攻撃に出ることができない。
こうしたさまざまな要因から、中國サッカーの全體レベルは、歐州とかなりの差がある。その上、中國はそれを自覚していないため、差は開く一方だ。トップクラスの大會に挑むたびに、中國は落膽し、弱気になる。貴重な學びのチャンスが長い間訪れなかったため、中國サッカーはだんだんとエンターテインメント化の方向に走り、サッカーファンとメディアは単に楽しみを追い求めるだけになった。サッカー界の厚顔無恥はますますひどくなり、実力ある歐州選手権については、はなもひっかけない始末だ。
歐州選手権のゲームは蕓術的とも言え、本當に見ごたえがある。中國スーパーリーグが歐州選手権の足元にも及ばないことは、如何ともしがたく、好き好んでそのような現狀に甘んじている訳でもない。歐州選手権に匹敵するようなサッカーリーグを擁する國は世界中にも少ないが、そうだからと言って、その他全てはプレイする価値がない、見る価値がない、などと言えようか?日本や韓國などのサッカー後進國がこのような態度を取っていたなら、中國サッカーをあっさりと追い抜くことはできなかっただろう。ワールドカップと歐州選手権だけをお手本にして、2年ごとに中國サッカーを嘲笑しても、何の面白みもない。當然ながら、歐州選手権を目標としてしっかりと學び、最終的に中國サッカー界自身が伸びていくかどうかが肝心だ。
「人民網日本語版」2012年6月18日