? | 北京オリンピックのエンブレムと印章 |
? 「中國人にとっては、オリンピックはお祭りである。中國の伝統文化の中からどのような要素を取り出してこの祭典を表現するか。私が思いついたのは書道だった。中國文化を代表する漢字を用いて造型することだ。そして文字を載せる媒體は、中國の伝統ある印章でなければならないと」 設計グループの長の張武氏は「この図案は、造型上は他の作品より優れているようには見えないが、中國五千年の文化とオリンピックの精神との結合を體現しており、全世界の人々が中國に來て、いっしょに踴るのを歓迎するという理念が作品に溶け込んでいる」と述べている。 この図案の中に含まれる意味をもっと多く読み取る人たちもいる。 | 「中國の印章 舞い踴る北京」を設計した郭春寧氏 |
北京オリンピック組織委員會の劉淇主席は「印章を主體とする表現形式は、中國の伝統的な印章と書道などの蕓術形式と動きの特徴を結合し、蕓術的な手法で誇張、変形を加え、巧みに、前に向かって走りながら踴って勝利を迎える、動く人の形になり、濃厚に中國の持ち味を內蔵している」と述べた。 印章は、4、5千年前に、中國に出現し、淵源の深い中國の伝統文化の蕓術形式である。それは現在も広く社會的に使用され、誠実と信用を表現するものになっている。中國の多くの書家や畫家はみな金石の篆刻家でもある。今なお、署名をする場合、依然として印章がよく使われる。 | 呉邦國全國人民代表大會常務委員長(中央右)とIOCの役員が北京オリンピックのエンブレムを掲げた |
印章の主體は、基調の色彩に赤を選択している。鮮やかな赤は、中國文化特有の情熱や喜びの雰囲気を伝えるものだ。寓意に満ちた図形の、たとえば「京」という字のようなものは、祭典が行われる地名を表していると同時に、ゴールに向かう選手のようでもあり、オリンピック精神の追求を體現している。また歌いながら踴る人のようでもあって、こ れは中國人のオリンピック運動への憧れや、世界から來る賓客を迎える熱情と真心を表現している。 北京オリンピックのエンブレムを見たIOCのロゲ會長は、「素晴らしい。詩的だ」と賞賛した。彼はこのエンブレムが、中國の歴史と文化遺産を示し、前途の明るい偉大な國家の若々しい、生き生きとした精神を伝えている、と評価している。 「人民中國」より 2007年5月 |