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米ロ両國による新たな戦略兵器削減條約交渉が18日、モスクワで鳴り物入りで始まった。年內(nèi)の合意を目指している。

20年間鳴りをひそめていた核軍縮再開の背景には、世界各地で日増しに高まる「非核地帯」設(shè)置を求める聲のほか、オバマ大統(tǒng)領(lǐng)就任後の伝統(tǒng)的外交政策の刷新がある。オバマ大統(tǒng)領(lǐng)は就任式で「武力だけではわれわれ自身を守ることはできない。安全は事業(yè)の正義の性質(zhì)から來るものだ」と述べた。オバマ大統(tǒng)領(lǐng)は米國が安全と理想の間で二者択一をしなければならないとは考えていない。

その実、オバマ大統(tǒng)領(lǐng)の主張は理想から來るとともに、それ以上に現(xiàn)実に源を発しているのだ。オバマ大統(tǒng)領(lǐng)は、米國が今日直面する主たる脅威は、もはやロシアのような大國ではなく、目下の大敵はアルカイダやタリバンといったテロリストや原理主義勢(shì)力だと認(rèn)識(shí)している。核兵器はこうした國境のない敵にとってはまったく抑止力とならいばかりか、その手に渡れば、テロの道具となる危険がある。オバマ大統(tǒng)領(lǐng)は「核世界大戦のリスクは減ったが、核テロの危険は逆に増大した。核兵器あるいは核分裂性物質(zhì)がテロリストの手にひとたび渡れば、深刻な結(jié)果をもたらす」と述べた。また、米國が核兵器を率先して削減することは、イランや朝鮮の核開発を阻止する上で道義上の権威になるとしている。

このためオバマ大統(tǒng)領(lǐng)は一方では「核のない世界」という遠(yuǎn)大な理想を打ち出し、もう一方では具體的な約束をいくつか示している。第1に、「包括的核実験禁止條約」の批準(zhǔn)を議會(huì)に求めること。第2に、核兵器用核分裂性物質(zhì)の生産を禁止する新條約の締結(jié)を各國に促すこと。第3に、「核不拡散條約」體制の強(qiáng)化。第4に、原子力の平和利用のための國際共用核燃料庫の設(shè)置という提言だ。オバマ大統(tǒng)領(lǐng)は以上の問題について、核の安全に関する首脳會(huì)議を年內(nèi)に開催することを提案している。

米國が核軍縮を推進(jìn)するのは、それが米國の総體的な軍事的優(yōu)位を損なわないからだ。周知の通り、ロシアは核攻撃によって米國を壊滅できる世界唯一の國であり、その大國としての地位は米國と拮抗する戦略核兵器保有數(shù)に全面的に由來する。通常戦力、特に精密誘導(dǎo)技術(shù)と攻撃能力で米國はロシアを大きくリードしている。このため戦略核兵器の削減は、米國の通常戦力上の優(yōu)位を損なわないまま、ロシアが核開発面で優(yōu)位に立つのを阻止することができるのだ。

ロシアが核兵器削減交渉に同意した理由は、舊ソ連が遺した核兵器の多くが老朽期に入りながら、現(xiàn)在のロシアには大規(guī)模な維持?入れ替えを行う資金がないからだ。専門家は、ロシアには資金がないため、核兵器削減條約が締結(jié)されようとされまいと、配備可能な核兵器は1000発以下に減ると予測(cè)する。このためロシアは米國にも増して、新たな核兵器削減條約を必要としている。同時(shí)削減により両國の核兵力の均衡を保つ意図があるのだ。

こうして見ると、米ロ雙方に、新たな戦略兵器削減條約をまとめる必要と誠意があるが、障害も依然少なくない。02年にブッシュ大統(tǒng)領(lǐng)とプーチン大統(tǒng)領(lǐng)が署名した「モスクワ條約」は、2012年までに両國の核弾頭を1700発から2200発の間まで削減すると定めている。だが條約には大きな問題が3つある。第1に、米國が削減する核弾頭は廃棄されるのではなく、倉庫に保管されること。第2に、運(yùn)搬手段の削減規(guī)定がないこと。第3に、査察制度が設(shè)けられないことだ。このため新條約交渉では、削減數(shù)、査察方法、運(yùn)搬手段などの問題について両國間で駆け引きが行われることになる。もう1つ難しいのは、プーチン首相が先日、東歐における米國のミサイル防衛(wèi)計(jì)畫と核兵器削減をリンクさせて協(xié)議すると表明したことだ。この問題において米國は、いくらか柔軟性を示したようである。このため両國の政府要人は、オバマ大統(tǒng)領(lǐng)の7月のロシア訪問で、交渉が大きく前進(jìn)する見込みがあると考えている。（「人民日?qǐng)?bào)海外版」（望海樓）欄）

「人民網(wǎng)日本語版」2009年5月19日