資料寫真:米軍の沿海域戦闘艦
米軍による今月2日のシンガポールへの沿海域戦闘艦(LCS)配備に続き、パネッタ米國防長官が第11回アジア安全保障會議(シャングリラ會合)で、米國は今後兵力の60%をアジア太平洋地域に配備する方針を表明した。さらに米軍は3日、ベトナムのカムラン灣に再入港した。
◇軍事力の顕在化
著名な軍事評論家である陳虎氏は、米國が発表した一連の行動は実際には2つの情報を伝えていると話す。一つは、米國がアジア太平洋にシフトする戦略的調整がすでに実質的段階に入ったこと。もう一つは、米國は益々軍事的優位性に頼って地域及び世界の覇権を維持すること。これは米國の手中の「カード」が減ってきており、経済?金融?外交?政治の運用能力が衰退していることから軍事力が顕在化しているといえる。
◇戦爭を引き起こすか
米國はアジア太平洋地域で戦爭するのでは?アジア太平洋地域が新たな冷戦時代に入るのでは?米軍のアジア太平洋地域に対する軍事力配備強化にともない、アジア太平洋地域の國は一方の味方につくよう迫られるのではないか?といった疑問の聲が多い。
陳氏は米國がアジア太平洋地域で戦爭するかについて、論理的に分析すると、現段階ではその可能性は大きくないと説明。軍事力は最終手段である上、米國は以前この地域で戦爭し、損した経験があるため、そう簡単にそういう決斷を下すことはないという。