ケニアの首都ナイロビにある高級ショッピングモールが21日、テロリストに襲撃され、中國人1人を含む62人が死亡し、200人余りが負傷した。ケニアにとっては1998年の米國大使館襲撃事件以來の、最も深刻な安全上の試練だ。(文:賀文萍?チャハル學會シニアフェロー、中國社會科學院西アジア?アフリカ研究所研究員。人民日報海外版コラム「望海樓」掲載)
今回の襲撃を行ったのはソマリアの反政府イスラム過激武裝組織「アル?シャバブ」だ。今回のテロ襲撃事件はアル?シャバブが近年実施してきた國境を越えたテロ襲撃活動の最新のエスカレート版と言える(アル?シャバブは2010年にウガンダで連続爆発事件を起こした)。2012年2月にアルカイダに正式に加入したアル?シャバブは近年、北アフリカ情勢の動揺に乗じて、北アフリカの「イスラム?マグレブ諸國のアルカイダ(AQIM)」およびナイジェリアの「ボコ?ハラム」との連攜を強化した。このアフリカの3大イスラム過激組織は所在國および周辺地域の反政府勢力とも結びつき、様々なテロ?破壊手段によって所在國および地域の平和?安定を脅かしている。テロ組織間の連攜およびテロ襲撃の規模拡大と強大化はアフリカの安定と安全に警鐘を鳴らした。アフリカのテロ対策も、新たな協力によってテロ活動の新たな変化に対処しなければならないのである。
まず、アフリカの関係國?地域は國內にすでに存在または潛在する反政府勢力と國外の過激組織との結びつきに高度の警戒を保つ必要がある。同時に、対テロ協力を強化し、國境管理、情報収集?分析?共有、テロ事件の捜査?解決協力、國および地域レベルの対テロ防備メカニズムの強化などの面で的確な措置を講じて安全保障を強化し、テロ対策の集団セキュリティネットワークを構築する必要がある。
また、國際社會にはアフリカ諸國のテロ対策の努力に的確かつ実効性ある支援を行う責任と義務がある。こうした支援は資金援助、技術指導、設備提供、人材育成に止まらず、情報共有がより重要だ。少し前に米國は自らの把握した情報に基づき、中東、北アフリカ地域22カ國の米公館を緊急閉鎖し、起こりうるテロ襲撃に対して十分な備えをした(過剰反応と批判されすらした)。
今回のナイロビでのテロ襲撃事件の被害者はケニア人だけでなく、米國、英國、フランス、カナダ、中國などの國民も含まれる。テロ襲撃とテロとの戦いにおいて、自國のことのみを考えることのできる國はない。中國西部辺境でも「東トルキスタン」などのテロ勢力、過激派勢力、分離獨立勢力が活発に活動しており、われわれも國際協力を通じて対処する必要がある。中國の全國人民代表大會常務委員會は今年6月「上海協力機構加盟國國內の対テロ合同行動の組織、実行手続きに関する協定」についての決定を了承した。7月に中國はイランとテロや麻薬犯罪の取締りにおける協力を強化するため、安全協力協定に調印した。
要するにテロ活動は國境を越え、テロ組織は連攜へと向かっているのであり、國際対テロ協力も拡大、強化しなければならない。対テロ情報を「自分の門前の雪を掃く」ためだけに用いる狹隘な考えは捨て去らなければならない。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年9月24日