最近、西側の一部の國々は中國の「一帯一路」(the Belt and Road)イニシアティブによる損失を回避するため、対抗策となる措置を取ろうと焦りを募らせている。
まずG7外相會合が約90分間を費やして、いわゆる、中國がいかにして「一帯一路」イニシアティブや経済的脅しの強化を通じて國益を図っているのかを議論した。今月8日にはEUとインドが、インド及びアフリカ、中央アジア、インド太平洋を含む第三國と地域における弾力性ある持続可能なコネクティビティを支える包括的「コネクティビティ?パートナーシップ」計畫を発表した。10日にはEUがカザフスタンとの「コネクティビティ?パートナーシップ」の一層の発展に向けて第18回EUカザフ協力委員會會議を開催した。
こうした措置の目的の1つが、中國の「一帯一路」イニシアティブによる損失をインフラ投資の拡大によって回避することにあるのは明らかだ。米國も以前、同様のインフラ投資計畫を発表している。6月のG7サミットでも米歐などが「コネクティビティ?パートナーシップ」計畫を話し合うと見られる。
中國人民大學國際関係學院の王義桅教授は、「西側のこうした行動や考えは少なくとも3つの點を物語っている」とする。
第1に、「一帯一路」イニシアティブの成果に西側は焦っている。西側は「ルールに基づく國際秩序」をしきりに口にするが、それは一體誰のルールなのか? 誰の秩序なのか?もちろん西側のものだ。実際には、もし西側のルールや秩序が完璧なものであったなら、「一帯一路」が今日の成果を得ることもあり得なかった。現在、世界では「平和」、「発展」、「ガバナンス」、「信頼」という4大領域における「赤字」が増大する一方だ。「一帯一路」國際協力はまさに、こうした「赤字」を埋めるものだ。かつてヘーゲルは「存在するものは合理的である」と語った。今や140余りの國々が中國と「一帯一路」を共同建設している。西側は中國主導の國際ルールが出來て、自らが國際秩序を主導できなくなることを懸念している。これこそが問題の鍵だ。
第2に、「一帯一路」イニシアティブが正しいため、西側も「一帯一路」の後追いをする必要がある。「一帯一路」イニシアティブはインフラ整備とコネクティビティに焦點を合わせている。現在では西側もインフラ整備やコネクティビティを手がけようとしており、我々はこれを歓迎する。ただ、西側は國內のインフラ整備も「絵に描いた餅で飢えをしのぐ」有様で、発展途上國支援にいたっては論外である。ワクチン問題は、西側の身勝手さだけでなく、その製造?生産能力不足も露呈した。さらに重要なことに、米國は排他的取り決めをし、EUは高い基準を設けて畫一的に処理している。これらは発展途上國の國情と合わず、発展途上國への尊重も欠く。ひるがえって中國を見ると、最大の発展途上國であり、直近の現代化ノウハウを持つうえ、協力において政治的條件をつけず、內政に干渉しないため、発展途上國により適している。「一帯一路」イニシアティブは「共に話し合い、共に建設し、共に分かち合う」を主張し、発展途上國が市場の要求や國際基準に達するための環境を創る。例えば経済パークは、ちょうどプールを作って子供達に水泳を練習させ、大きくなったら「國際市場」という大海を泳げるようにするようなものだ。これが「一帯一路」の方向性、理念、アプローチが成功を収めた原因だ。
第3に、西側が「一帯一路」による損失の回避を焦るのは、イニシアティブそのものに対するものでは決してなく、中國を封じ込めるためだ。中國と西側は対等な接觸、同質な競爭という新たな段階に入った。西側が「一帯一路」に反撃しながら、「一帯一路」に學んでもいるのは、中國を牽制し均衡を図るのが目的だ。これは西側が聲高に叫ぶ「中國の體制の脅威」や「制度上のライバル」の言外の意味でもある。
習近平國家主席は今年のボアオ?アジアフォーラム開幕式での基調演説で、「『一帯一路』は皆が手を攜えて前進する開かれた明るい大きな道であり、ある一國の狹い私道ではない。関心のある全ての國々が加わり、共に參加し、協力し、利益を受けることができる」と指摘した。
我々は西側が競爭に參加して、我々に足りない點を見出し、改善できるようにすることを歓迎する。こう言えるのは、「一帯一路」イニシアティブの自信の表れだ。
西側は「中國の経済的影響力」に対処するため、「一帯一路」の代替案を打ち出している。これが政治屋達のパフォーマンスではなく、反対のための反対ではなく、無闇な模倣でもなく、真心から世界のインフラを整備するものであることをただ願う。一言で言うと、西側が「一帯一路」イニシアティブによる損失の回避に熱心であることで、「一帯一路」イニシアティブが人々から支持され、人々の生活に恩恵をもたらし、世界に利益をもたらすことが逆に証明されたのである。(編集NA)
「人民網日本語版」2021年5月25日