北京市統計局の于秀琴?副局長はこのほど記者會見で、「北京市のエンゲル係數は33%前後に下がり、一人當たりGDPは9000ドルに達した。この2つの指標は、中等國?地域の富裕レベルに北京市が達したことを示している」と語った。「中國工商時報」が伝えた。
國際的にも広く認められているエンゲル係數は、消費のクオリティーやレベルの変化をはかる重要な指標となっている。エンゲル係數の低下は普通、住民生活のクオリティーの向上を表す。だが北京市民には、自らの生活レベルが向上したという感覚はないようだ。不動産価格と収入との差がますます広がりつつある中、サラリーマン層は思い通りの消費がなかなかできないのが現狀だ。
北京統計局が発表した分譲住宅の先行販売価格と住民の収入のデータによると、05年から09年までに住民の収入は53%上がった一方、住宅価格は126%上がった。上げ幅は2.3倍に達する。アナリストによると、最近のデータでエンゲル係數が下降したのは、食肉?卵の価格が上半期よりも下げられたため。この価格はすでに上がっており、エンゲル係數は連続3年の上昇となる可能性もある。
ここ數年、住宅?教育?醫療にかかる費用の割合は大きく高まっている。北京統計局のデータによると、五環路內の不動産先行販売価格は7月、1平方メートル1萬7千元前後となった。北京不動産取引管理網のデータによると、住宅の平均面積は113平方メートル。住宅1物件の価格は単純計算で192萬1千元となる。これに対し、五環路內にある市街地8區の住民の収入は今年上半期、平均で2萬8289元だった。
中大恒基の市場アナリストはこんな計算をしてみせた。一家庭で二人が働いていると仮定し、個人所得稅や保険などの支出を考えなければ、一家庭の収入は11萬3千元となる。頭金42萬元と住宅ローン150萬元で住宅を買うと、利息は30年で112萬元となり、総額は304萬元に達する。収入上昇などの狀況を考えなければ、エンゲル係數がゼロだとしても、サラリーマン家庭が稼ぎ出すのに27年かかる金額だ。
「人民網日本語版」2009年9月2日