現在海外では中國企業による大規模な不動産購入が行われている。人民財経の概算統計では2012年以降、中國企業による海外不動産市場への累計投資額は100億ドルを超える。これには統計が困難で數量の多い個人投資家は含まれていない。
中投、萬科、緑地、復星、SOHO、茅臺に代表される中國企業による海外不動産投資の勢いは、かつての日本企業による米國買いを彷彿とさせる。どの企業でも大規模な海外不動産投資は慎重な決定と十分なリスク評価の結果であるはずだ。だが、われわれはその発生のロジックおよび今後考えられる変化についても整理する必要がある。
「米國の不動産市場と米國経済を救ったのは中國の投資家だ」。ある米國メディアは中國の投資家が米國の不動産購入に殺到した結果をこう表現した。米國の住宅バブル崩壊に端を発した2009年の世界金融危機は世界経済に大きな痛手を負わせ、中國も一人無傷とはいかなかった。だが危機の収束を待たずして、米國の不動産市場は奇跡的な回復を見せた。巨大な中國の購買力の功績を無視できないのは確かだ。これは米國経済の回復と資本市場の記録更新にも直接的につながり、中國A株市場の投資家にとって羨望の的となった。1970年代末から90年代初めに米國を買い占めんばかりだった、誰はばかることのない日本の姿を想起せずにはいられない。