文：江宛棣

世界中がシリアの戦爭と困難な和平のプロセスに注目する時(shí)、かつては裕福で繁栄したこの國の今では見渡す限り破壊された都市で、ビジネス活動が出來るのか否か？それをどのように行うのか？を問う人は少なくない。この答えは、中國の若い商人、李健煒の物語が明らかにしてくれるだろう。長年にわたって中東諸國と商売を行い、アラビア語と英語を流暢に話す李健煒（Yasin Li）は今、世界に名が知れ渡るアレッポオリーブ石鹸をひっきりなしに中國へ輸入し、ここ數(shù)年で中國消費(fèi)市場の新たな人気商品とした。

ユーフラテス川と地中海の間に位置するシリア第二の大都市アレッポは、古代から工業(yè)と商業(yè)の発達(dá)で知られ、オスマン帝國時(shí)代には近東最大の貿(mào)易センターだった?，F(xiàn)地に數(shù)多くある工業(yè)?農(nóng)業(yè)製品のうち手作りオリーブ石鹸は、その原料と精緻な生産プロセスが海外でも有名だ。長期にわたって中東諸國と商売を行う李健煒だが、彼は偶然にアレッポ石鹸を輸入して中國市場を獨(dú)占する考えを思いついた。

李健煒は「私もここ2年にアレッポ手作りオリーブ石鹸の商売を始めたばかり。以前はこの石鹸を知らなかったけれど、中東諸國を頻繁に訪れるうちに購入して使用したり、現(xiàn)地の友人がプレゼントしてくれた。この石鹸は純天然で、化學(xué)添加剤が無く、香料や著色料も使っていない。洗った後の皮膚の感覚は特に気持ち良く、潤いがある。これは私自身が感じたことだ」と話す。

果たして、オリーブ石鹸を生産していない中國で、この特殊な石鹸の市場はあるのだろうか？この點(diǎn)について李健煒は自信を持っている。まず、中國では現(xiàn)在、日用化粧品消費(fèi)市場が非常に強(qiáng)く、さまざまな種類と価格の製品はどれも大きな需要がある。また、天然で品質(zhì)が保証された製品が求められていることも現(xiàn)在のトレンドとなっている。輸入の手作りオリーブオイル石鹸は、価格が少し高いが、化學(xué)合成の入浴用品と比べ健康生活の理念に合い、生活の質(zhì)を求める若年世代に受け入れられやすい製品だ。中國の消費(fèi)者はここ數(shù)年の間に、オリーブ石鹸を徐々に認(rèn)識して受け入れており、一部の人は収蔵期間が長いオリーブ石鹸に熱中している。李健煒が「アル＝アンダルス?アレッポ古石鹸」としてオンライン販売する製品は、すでに人気ブランドとなった。彼は最近、ウォルマートと商談し、オリーブ石鹸をスーパーマーケットに陳列する準(zhǔn)備をしている。

李健煒は、巨大な消費(fèi)市場を前にして、粗悪品や偽物のアレッポオリーブ石鹸が出てきたことに気付いた。彼は、「私のオフィスには、たくさんの偽物や粗悪品の石鹸が置いてある。こうしたサンプルを集めることで、消費(fèi)者に分かってもらいたい」と話す。彼が良く訪れる中東諸國の市場では、どこでもオリーブ石鹸を探すことが出來るが、彼は、シリア産のオリーブ石鹸のみを輸入し、二次加工製品を買ったことはないという。現(xiàn)在契約している代理業(yè)者は、歴史あるシリアの手作りオリーブ石鹸メーカーと直接契約をしており、毎年このメーカーから100萬元相當(dāng)の製品を輸入する。

李健煒に商品を供給するこのメーカーは、大規(guī)模な家族企業(yè)で、前世紀(jì)50年代から手作りオリーブ石鹸の生産を開始。すでに2世代を経て、製品をドイツなどの歐州諸國に直接販売している。シリア戦爭前、工場では自社の従業(yè)員と職人のほか、オリーブの収穫期に臨時(shí)作業(yè)員を雇わなければ大量の受注に対応することが出來なかった。都市が破壊された現(xiàn)在は、かつての熱気にあふれる光景は見られない。戦爭前は、アレッポだけで大小のオリーブ石鹸メーカーが1000社に上ったが、今ではほとんどが逃げ出してしまった。多くの工場は80kmちょっと離れたタルトゥースへ移転。李健煒は、工場の損失は火を見るより明らかだと話す。アレッポの工場を離れるとき、多くの伝統(tǒng)的な手製の金型は持ちだすことが出來ず、現(xiàn)在の工程ではロボットが代替している。

それでも、戦火が舞うなか、李健煒の注文が遅れたことはない。「私の製品はすべてコンテナで運(yùn)んでおり、シリアのラタキア港を決まったダイヤで出港し、だいたい28－35日で中國の天津港に到著する。製品輸送は、とても正常で、戦爭の影響を受けていない」。

非常に面白いのは、李健煒は商売をする時(shí)、彼が得たものを皆と喜んで共有することだ?！杆饯颏膸诟妞膝ⅴ欹氓莨攀xのほか、年代物石鹸となる5年物や7年物の広告もある。オリーブ石鹸はやはり年代物が最も好まれるためだ。フランス人は大口購入を好み、購入した石鹸を自宅の地下室に置いて、なかには10年以上も置きっ放しにするものもある」。李健煒は、彼自身がアレッポ全體でもわずかに殘る7年物の石鹸3000個(gè)を収集したことを明らかにした。「この年代物石鹸を売ることはない。友人と交流するときに見せたり、プロモーション活動の時(shí)に持っていくものだ」。

また、李健煒は、天津市にアレッポ古石鹸博物館を建設(shè)することを思い描いている?！盖閯荬伽仿浃林い郡?、年代物石鹸メーカーの生産道具などの素材を探しに行くつもりだ。これを生産することは、現(xiàn)地人にとって一つの歴史であるが、現(xiàn)在は工場がすべて破壊されてなくなった。自分の博物館で、こうした生産要素とそこに含まれる文化を保存、再展示したい」と話した。

「中國網(wǎng)日本語版（チャイナネット）」2017年5月9日