輸出と輸入のバランスを是正すべき
今の中國と日本にとって経済を牽引する主な力は輸出である。しかし高度経済成長期の日本は「消費と國內設備投資が非常に大きな貢獻をした」と吉川教授が話すように、必ずしも輸出主導ではなかった。
輸出により外貨準備高が世界一になった中國。その中でもとりわけ多く保持しているのが米國債だ。吉川教授は「チャイナネット」の取材に対し、次のように語った。「どういう形で中國が自分の富を蓄積するのか。設備投資や公共投資、外國の資産を持つという方法もあるが、外國資産は中國の人たちの生活水準を直接、上げることはできない。何かあった時に、外國から何か持ってくることが出來るように備えるのはよいが、しかし海外資産は持てば持つほどよいというわけではない」
では膨大な海外資産をうまく運用するにはどうしたらよいのか。「輸入が増えれば輸出の超過が小さくなる。日本も最初は輸入を贅沢と思い、警戒して出來るだけ少なくしたかった。だがそれは必ずしも正しくはない。少なくとも今の中國はますます経済的な実力も高まり、輸入する力もある。ハイテク製品にこだわらず、日常品も多く輸入したほうがいいだろう。日本に観光に行った中國の人が日本で多くの日用品を買っていると聞くが、それは日本製品を買いたいという気持ちの表れではないだろうか」