東京大學の吉川洋教授は、中國社會科學院と全國日本経済學會が北京で共催した國際シンポジウム「中日経済協力の回顧と新たな地平」に出席し、「日本経済の経験と日中協力の將來」について語った。
まだまだ続く中國の高度成長
日本が高度経済成長期だった1950年代から60年代にかけてのGDP成長率は、今の中國とほぼ同じ10%前後だった。「中國には経済発展のために必要な人口を有し、経済成長の最終的な目的が、生活が豊かになり、ウェルフェアを高めるということなら、中國にはまだその余地がある」と吉川教授は話し、その一例についてはこう語る。
「北京や上海を初めとする豊かな都市部の冷蔵庫や洗濯機などの普及率は100%だが、広大な農村部ではまだ半分ほどに過ぎない。こうした多くの中國の人たちの生活水準を向上させることこそが、中國の経済成長の大きな目的であるべきで、そうした面から見れば、まだまだ中國の成長は続いていくだろう」