退任したばかりの前在中國日本大使の丹羽宇一郎氏は、20日東京で25日赴任予定の新任の木寺昌人大使に「日中関係をこれ以上悪化させてはならない」と忠告した。この日の講演で、丹羽氏は日本政府に対して、誤った時期に釣魚島國有化を持ち出し、釣魚島領土問題の存在を認めようとしなかった件を直接非難した。また、「領土問題で白黒をはっきりつけようと思うなら、戦爭以外に方法はない。両國の緊張関係の臨界點を超えさせないようコントロールが必要だ。(臨界點とは)軍隊を出すことだ。」と語った。20日の西日本新聞は、退官したばかりの外交官が直後に公の場で政府を批判することは、実に珍しいことだといっている。
読売新聞によれば、丹羽氏は20日、東京の日本記者クラブでの會見で、ふたたび日本は領土問題を認めるべきだと訴えた。「領土問題はないといっても、外交上の問題は存在する。日本人が『ない、ない』といってばかりいても、理解してもらえない。日本は白といい、中國は黒という。これが爭いというもので、外交上に問題があると認識した上で、両國の利益のために一體なにをすべきかを考えることが正しい。これが外交というものだ。」と述べ、「日中両國は友好以外に行くべき道はない。どうであろうと、どのように狹い道であろうとこれを行くしかない。」と強調した。西日本新聞は、丹羽氏は野田政府が『釣魚島國有化』と宣言した時に疑問を呈した。中國の指導者に會見し自重するように言われた2日後、野田政権は國有化を宣言した。丹羽氏は「中國からすれば怒るしかなかった。」と明かす。日本政界に対中強硬派が増えていることについては、「中國で一生懸命仕事をしている日本人や日本企業に代わって彼らが尖閣列島(中國の釣魚島)の問題をどう見ているか、たとえほんの少しでも考えてほしい。」と語った。
「中國網日本語版(チャイナネット)」2012年12月21日