麻生太郎氏が「知らぬ間に改憲」の発言を撤回してから數日もたたないうちに、自衛隊は実際の行動により、副総理の発言が偽りではなかったことを証明した。日本の新型ヘリ搭載駆逐艦22DDHが、8月6日に進水した。戦後に空母を建造する権利を剝奪された日本にとって、この空母に酷似した駆逐艦を建造したことには何か裏の目的があるように見え、中日情勢に注目する人々の反感を買っている。
しかしこの準空母を、それほど大げさにとらえる必要はない。その外観は空母に似ているが、排水量は2萬トン級のみで、「身長?體重」は中國の空母「遼寧艦」と同クラスではない。このような準空母が1?2隻進水したところで、東中國海の現在の軍事力のバランスを覆すことはできない。
それよりも注意すべきは、同駆逐艦の建造ペースの方だろう。22DDHは昨年11月に橫浜で著工され、現時點ですでにほぼ完成している。日本は初めてこのような大型艦を建造したにも関わらず、1年の時間もかからなかったのだ。この驚異的なペースは、日本が実際には空母を建造する能力を持っていることを意味する。この點から論じれば、小野寺五典防衛相が集団的自衛権を防衛計畫の大綱に盛り込んだことには、何か良からぬ狙いがあると言える。自衛隊が本土の専守防衛だけではなく、公海で同盟國を支援できるようになった場合、日本の空母建造には立派な大義名分が揃うことになる。
より広い角度から見ると、安倍首相がこのほどASEAN諸國を訪問していることにも、何か良からぬ狙いがあると考えられる。日本の経済界では、「中國の他に、日本に加工拠點を提供できるパートナーを見つけることができれば、日本の中國に対する経済依存度を引き下げることができる。日本と伝統的な関係を持つASEANは理想的な選択肢だ」と指摘されていた。
8月6日は広島の原爆投下記念日だ。日本が太平洋戦爭で完敗を喫したのは、戦艦が米國より小さかったからではない。日本の戦艦大和は當時、世界最大の戦艦であった。しかし最後に撃沈されるまで、大和は數回しか出撃していなかった。それは大和が1日に1萬トンの重油を消費するにも関わらず、母港には40萬トンの重油しか蓄えられておらず、出港できなかったためだ。國家間の競爭は、それが例え軍事力の比較であったとしても、大砲や戦艦の大きさだけを見てはならない。これと同じく、今日の日本が戦後の束縛を振り払おうとするならば、準空母だけに頼ることはない。日本が頼りとするのは、法律?経済面の裏の動きだ。
「中國網日本語版(チャイナネット)」2013年8月7日