中國で流行中の大衆文化を日本人に紹介するため、「環球時報」駐日本特約記者(以下「記者」)は中國の流行語を紹介する書籍の出版について日本の出版社の編集者と連絡を取っている。記者はそのやり取りで、彼らが現在の中國をよく理解していないことに気づいた。例えば「一帯一路」「微信」「朋友圈」といった中國人の生活と密接に関わる言葉をほとんど知らなかった。記者の原稿には「出稼ぎ労働者が広東地區に殺到」とあるが、日本の編集者は理解できず「なぜ広東に?」と聞いた。これは中國の改革開放の成果と経済発展の現狀への無理解を露呈した。この編集員は、「自國のメディアでは、日本人がスパイ容疑で逮捕されたといったニュースしか目にしない。そのため一般人が現代中國を知るのは困難だ」と率直に語った。
記者の長年の観察によると、日本メディアは中國の歴史や現実を報じる際に、特定のスタイルと潛在的な問題を持つ。これらの報道は知らぬ間に日本人の中國への認識に影響を及ぼしている。
毎年8月の広島?長崎原爆投下の日になると、日本メディアは過去の戦爭について集中的に報じるが、その內容は自國の戦爭における損失や人々の苦難に集中し、日本が他國にもたらした戦爭の災いについては言及することは極めて稀だ。特に抗日戦爭に関する報道手は通常センシティブになる。例えば「南京大虐殺」などの言葉はNHKから使用禁止され、「南京事変」と呼ばれている。日本メディアは英語で靖國神社について報じる際にも、「戦爭関連の神社」という翻訳を避ける。一部の右翼メディアはさらに日本の戦爭における役割をぼかし、さらには侵略戦爭の美化を試みる。このような報道は日本人の歴史認識のズレを生み、人々の歴史への誤解と誤読を深めた。
日本メディアは中國の政治體制と発展について報じる際に、中國の制度の日本及び西側諸國との違いに注目することが多く、人権などの問題を意図的に誇張する。この長期的なネガティブで一方的な報道スタイルは中國への悪印象を人々の心に刷り込み、中國は「脅威」「恐ろしい」という認識を形成し、中國に反感を抱くムードを形成する可能性がある。
日本メディアは中國経済について報じる際に、対比によって中國の急速な発展とその日本経済への挑戦を強調することが多い。特にテクノロジーや製造業などの分野において、中國の急速な発展は日本の競爭相手とされる。この懸念ムードはメディアにおいて示されることがある。この過度に競爭関係を誇張する方法は、日本人の中國経済発展への懸念を深め、両國の経済面の相互補完や協力の潛在力を見落とさせ、中日協力への期待を弱める。
日本メディアは文化について報じる際に、日本文化の中國への輸出に注目し、中國文化の日本への影響を無視することが多い。実際には中國の映像コンテンツ、文學、蕓術などは日本でも一定のシェアを占めている。記者の知り合いの日本人主婦は中國の有名テレビドラマやスターを良く知っている。しかし日本メディアは日本の大衆文化の中國での人気ぶりを報じる傾向が強い。これは日本人の中國現代文化への理解を限定的にし、中國文化への全面的な認識を形成し難い。
また文化交流も日本メディアの報道で十分に重視されていない。日本人の中國文化への理解は伝統文化レベルに留まり、中國現代文化の多様性を見落としている。日本人は興味津々に「三國志」を読むが、中國現代文化の動きについてはほぼ知らない。中國の書店には日本関連の書籍が並ぶが、日本の書店では中國の現代文學や社會文化に関する書籍は極めて珍しい。比較的有名なのはSF小説「三體」で、日本のベストセラーランキングに入り続けている。
さらに記者の調べによると、日本メディアは取り上げる中國のニュースを選ぶ際に、大気汚染や食品安全などのネガティブな事件を選ぶ傾向が強く、中國のイノベーションや環境保護活動などのポジティブなニュースに関する報道は少ない。この選択的な報道により、日本人は中國の目下の発展と進歩を見落としがちだ。
「中國網日本語版(チャイナネット)」2024年9月18日