中國社會科學院日本研究所と全國日本経済學會が共催する「中日経済協力の回顧と新たな地平」國際シンポジウムが3月20日、北京で開かれ、中日両國のマクロ経済情勢、ポスト金融危機時代の中日経済関係などのホットな問題について、突っ込んだ討論が行なわれた。中國社會科學院世界経済?政治研究所の余永定元所長は挨拶の中で、「日本経済の成功と失敗の経験は、中國経済の発展に參考となる。特に、1985年以降に日本が採ったマクロ経済政策での多くの経験と教訓は、真剣に研究する価値がある」と述べた。

資産バブルを弾けさせるべきか　日米の教訓

余教授は次のように話す。日本は80年代後期、資産バブルが深刻であると感じ、厳しい緊縮政策を採り、それによりバブル経済が弾けた。日本の教訓から、當時、資産バブルの処理はグリーンスパン氏の方法を用い、バブルを弾けさせず、徐々に緩和するやり方が経済への影響を和らげるとの見方があった。しかし、米國のサブプライムローン危機の発生で、このような成り行きに任せたやり方は最終的に悪い結果をもたらすことが示された。私たちは日本の當時のやり方を再び観察する必要がある。日本と米國はこの問題において、ともに中國が參考とすべき経験と教訓があるといえる。

公的資金を利用し不良債権を処理すべき

余教授は、不良債権の処理は先延ばしにすべきでなく、公的資金を利用すべきだと指摘する。98年まで、日本の役人は政府資金を利用して銀行不良債権を処理することをためらっていた。なぜなら、銀行のせいで損をしたのに、國と民衆が埋め合わせをするというのは民衆の怒りを買うからである。しかし結局、日本は政府資金で不良債権を処理し、効果からして成功した。これが中國の不良債権処理の手本となった。中國は98年に4大銀行に2700億元を注入し、99年に資産管理會社を設立し、不良債権を剝離した。04年には2行の商業銀行に450億ドルを注入し、05年には4大商業銀行が上場した。この一連の措置を通じ、中國の銀行業に長期存在していた不良資産問題や資本金不足の問題はすぐに解決された。中國は日本の経験と教訓を汲み取ったため、今回の金融危機でも金融狀況が比較的よく、多くの國で現れた流動性不足や信用緊縮、流動性の罠などの問題は起きなかった。それどころか、中國では貸付が急速に増加し、制御できないという問題に直面している。

政府はインフレ時に財政政策を積極的に使用すべき

日本経済は96年に大幅に回復したが、債務殘高の対GDP比は約80％に達した。日本政府は景気回復の勢いを借り、國債が多すぎるという問題を解決しようと考え、消費稅の徴収を始めた。しかし、これにより日本経済は再び後退した。「日本の役人は當時、1つのことをしなかった。財政赤字を減らし國債を減らすというのは正しいが、國債殘高の対GDP比に注目する必要があった」と、余教授は指摘する。財政緊縮だけを行い、経済成長の維持に注意せず、この比率が低下しないばかりか上昇した場合、財政狀況はさらに困難になる。中國はこの教訓を汲み取り、98年に拡張的な財政政策を採り、財政支出と國債は増加したが、GDP成長率は低下しなかった。このような政策を実行したことにより、中國経済は回復し、財政狀況は悪化しないばかりか改善された。

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