中國では、玉三郎さんによる昆劇『牡丹亭』を観た人も多いだろう。日本の歌舞伎役者が演じているとは思えない、というのが大部分の感想かもしれない。『牡丹亭』のずいぶん前にはニューヨークのメトロポリタン歌劇場で『鷺娘』を演じている。日本舞踴とバレエの鍛え抜かれた身體表現を調和させ、ある種の靜謐さと壯絶さを醸し出したその舞臺は圧倒的な美しさでもって観客を包み込み、鮮烈な印象を殘し続けている。
その後はドストエフスキーの『白癡』を原作とした『ナスターシャ』に出演、非常に困難とされる男女2役を見事に演じ喝采を浴びた。
『桜姫東文章』、『伽羅先代萩』、『壇浦兜軍記』など日本の歌舞伎における玉三郎さんの活躍については、私がここで改めて言い及ぶ必要はないだろう。
「京都賞」の受賞後、私は玉三郎さんにこう尋ねた。
「今後どういった分野で女形を昇華させていきたいですか?」
玉三郎さんは少し間を置いて、
「自分の若い時と比べて、新しい役柄に挑戦したいという気持ちに衰えは感じませんが、やはり時の流れには逆らえません。でも、もし肉體的?時間的に許されるのであれば沖縄の舞臺蕓術に挑戦してみたいです」
女形に関するものはすべて、日本や中國はもちろんアメリカやヨーロッパに至るまで、玉三郎さんは情熱を持って學び、表現してきた。こうして大きな成果を上げた今でも、さらなる高みを目指す姿勢は変わらない。
蕓術に対する玉三郎さんの盡きることのない探究心————世界に名だたる數々の賞を引き寄せている理由だろう。
?Billion Beats 日本人が見つけた13億分の1の中國人ストーリー?より
?中國網日本語版(チャイナネット)? 2011年12月12日