麗澤大學特任教授 三潴 正道
干支の話は続く
「『木火土金水』って知ってる?」
「えーっと、月下水木金土日、とは違うのよね」
「違わないさ。月と日を加えただけだよ」
「あっ、本當だ!『木火土金水』ってなあに?」
「五行説って聞いたことない?萬物は何でできているの?」
「世界史で習ったことがある。タレースは水、デモクリトスはアトマという小さな粒」
「すごい!詳しいね」
「鉄腕アトムの名前もきっとここからきてるんだわ」
「中國人はね、萬物は『木火土金水』からできているって考えたんだ」
「そういえば、『五行説』って聞いたことがある。そう!『もっかどごんすい』だわ!」
「へー、日本語ではそう読むんだ」
「お父さんが言ってた。でもなかなか覚えられないのよね」
「忘れたらいい方法がある。太陽系の惑星の名前を言ってごらん」
「水金地火木土天海冥よ」
「地球はearthだから、こっちがもともと土なんだ。そうすると水金土火木になる」
「なんだか五行説に似てきたわね」
「逆から見てごらん。太陽に遠い方から」
「えーと、木、火、土、金、水、あら、五行説そのまんまだわ」
「でしょ。ところで『十干』ってあったよね」
「ええ、甲?乙?丙?丁?戊?己?庚?辛?壬?癸」
「これを2つずつグループにすると5グループになる」
「『甲?乙』『丙?丁』『戊?己』『庚?辛』『壬?癸』ね」
「それに木、火、土、金、水をかぶせるんだ。『甲?乙』は木の組」
「はい、全部被せました」
「そうすると、木の組で『甲』はお兄さん、『乙』は弟になる」
「木のお兄さん、木の弟ね」
「日本人の先生によると、日本語で兄は“え”、弟は“と”読めるんだって」
「きのえ、きのと、なるほど。あっ、じゃあ、丙(ひのえ)って火のお兄さんなんだ!」
「そう。甲きのえ?乙きのと?丙ひのえ?丁ひのと?戊つちのえ?己つちのと?庚かのえ?辛かのと?壬みずのえ?癸みずのと」
「それで丙午は『ひのえうま』なのね。中國の文化ってすごいわね」
「中國網日本語版(チャイナネット)」 2016年5月9日