麗澤大學特任教授 三潴 正道
「そうそう、父から聞いたんだけれど、宴會で呼んでない人が來るんですって?」
「うん。。3人呼んだら5人來たとかね」
「その通りよ。3人招待したら5人來たんですって」
「で、お父さん、どうしたの?」
「広州で會社が主催した宴會だったそうだけど、どうしたのかしら」
「おまけの二人はどんな人だったの?」
「その日、相手の會社に來たお客さんだそうよ。上海の人と香港の人」
「それは、お父さんの會社へのプレゼントだよ」
「いらないわよ。だってこちらでお金を出すのよ」
「でもその二人、それぞれ地元なんかに相當の人脈を持っているはずだよ」
「そりゃ、中國人ですものね」
「連れてきたのは、その人たちと仲良くすると、上海でも香港でも助けてくれるからさ」
「そうか!相手の人脈が手に入るわけね」
「その通り。だからプレゼントなんだ」
「じゃあ、もてなさなくっちゃ」
「當然!」
「どうだ、この人は心の広い人だろう、って連れてきた方は鼻高々になる」
「でも、それなら、來る前に電話一本する心遣いが欲しいわね」
「そりゃだめだよ」
「なぜ?」
「そんなことしたら、前もって連絡をしないとだめな心の狹い人だ、ってことになる」
「えーっ、そういうことなの!」
「そう、突然でも嫌な顔一つせず、『いらっしゃい!』と歓迎すれば合格!」
「どうして?」
「そんなに複雑なの?信じられないわ」
「中國の歴史を紐解くとね、そんな話が隨所にある」
「例えば?」
「三顧の禮って知ってる?」
「三國志で劉備が孔明を軍師に招く話でしょ」
「そう。劉備は領主なのに領內の一庶民の若造に三顧の禮を盡くしたんだ」
「隨分腰が低いわよね」
「それを知って多くの人材が集まったってわけさ」
「中國網日本語版(チャイナネット)」 2016年8月22日