麗澤大學特任教授 三潴 正道
「中國人のリーダーは優秀な人材をうまく使いこなせないとだめなのね」
「人を能力で評価する傾向は強いね」
「日本だってそうよ!」
「でもさ、日本って、男女差別や年功序列が結構あるんじゃない」
「そういえばそうね。日本って男女平等の程度が先進國では最低なんですって」
「100番以下だって聞いたことがある」
「そう、大體、“雄々しい”は褒め言葉、“女々しい”は貶し言葉だなんて不公平よ!」
「まあ、まあ」
「確かに年功序列もあるわ。能無しでも年齢で部長になっちゃったり」
「中國でも同族會社ではよくあるけどね。でも、日本よりはずっと能力主義」
「男女差別はないの」
「あるよ。定年は女性のほうが早いし、採用の時、あからさまに容姿で差別もする」
「じゃあ、日本よりひどいんじゃない?」
「でも、役職で女性だからと言って差別はしないし、“女らしく”、なんて誰も言わない」
「そういえばトップが女性って多いわよね」
「“女性は天の半分を支える”ってよく言うんだ」
「外國人も差別しないわよね」
「そこが日本と違うところ。日本じゃ外國人はなかなか管理職に慣れない」
「でも現地化はずいぶん進んでいるんじゃない?」
「現地ではね。本社はどうだい?」
「最近は中國企業にM&Aされることも多くなってきたし、そんなことしてたらだめね」
「だいたいね、中國の能力主義って筋金入りなんだ」
「どういうこと?」
「紀元前の春秋戦國時代に“春秋の四君”という人たちがいた」
「へえ、どんな人たちなの?」
「斉の孟嘗君、趙の平原君、魏の信陵君に、楚の春申君」
「なんで有名なのかしら?」
「“食客”、つまり居候を3000人も抱えていた」
「ホームレスへの慈善事業ってわけ?」
「まさか。居候って言ったって、みんな一蕓一能に秀でた有能な人たちなんだ」
「何ができるの?」
「鶏の鳴きまねとか泥棒とか」
「えっ、泥棒も一蕓なの?」
「そうさ。“鶏鳴狗盜”って言ってね。次回はその話から始めよう」
「中國網日本語版(チャイナネット)」 2016年9月23日